22世紀の民主主義(成田悠輔)は難しい?わかりやすく要約

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こんにちは、もちです。

先日、成田悠輔さんの書いた『22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる』を読みました。

非常に面白い本だったのですが、ネットでの評判を調べてみると、「難しい」という感想が多かったです。

『22世紀の民主主義』がなぜ難しいと言われるのか?

わかりやすく要約するとどんな話なのか?

簡単にまとめましたのでご覧ください。

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著者の成田悠輔はどんな人?

まず簡単にですが、著者の成田悠輔さんのプロフィールについて触れておきたいと思います。

成田さんはデータアルゴリズムを専門分野とした経済学者で、アメリカの名門大学であるイェール大学の助教授もされています。

最近ではテレビ番組でコメンテーターをされているのをよく見かけますね。

Twitterでは自虐も込みで切れ味の鋭いツイートを量産しています(笑)

『22世紀の民主主義』を簡単に要約すると

『22世紀の民主主義』はどんな本なのでしょうか?

ざっくり一文にまとめると、「故障してきている民主主義を選挙や国家の改革、もしくは選挙そのものをなくすことにより立て直そう」という試みについて考えられた本です。

この本の内容を理解する上で重要な部分は、前提である①民主主義の故障と、筆者の提言する②選挙のない民主主義の2つだと私は考えています。

以下でそれぞれ詳しく解説していきます。

他にも選挙制度やメディア、国家の形態を変えるという非常に興味深い提案もされているのですが、そちらは細かい内容になるので本書を読んでみてください。

①民主主義の「故障」

まず、前提として現代の社会は、資本主義民主主義が拮抗しています。

資本主義で広がった貧富の差やそれによる不満を、「一人一票」の民主主義でなだめようとする形です。

ところが、近年は民主主義の方が劣化してきて、バランスが崩れてきています。

劣化とはどういうことなのでしょうか?

成田さんはこう言っています。

ざっくりと言えば、政治がウェブとSNSを通じて人々の声により早く、強く反応しやすくなった。そのことで、人々を扇動し、分断するような傾向が強まったという懸念である。

成田悠輔『22世紀の民主主義』 第1章「故障」より

例えば、政治家はTwitterをやっていて、日々さまざまな主張を発信していますよね。

自身や所属する党の人気を得るために、「●●党はこんなことをやっている」など、他党の失態などを厳しく批判することもあります。

それを受けて「そうなんだ・・・」と見る目を変えたり、「許せない!」という強い怒りを感じたした経験がある方もいるのではないでしょうか?

別の政党の政治家のTwitterでも真逆のことが起こります。

その時、ある政党を支持する人とそうでない人の間で激しい分断が起こるのがその身近な例の一つです。

また、興味深い研究結果が一つあります。

著者の成田さんとイェール大学の学生によるデータ分析によると、「民主主義の国ほど経済成長が低迷している」というのです。

こうした「世論に耳を傾けている(劣化した現在の)民主主義」が、経済や社会をも劣化させているというのは恐ろしいですよね。

②選挙のない民主主義

それでは、この劣化した民主主義を、ひいては社会を立て直すにはどうすれば良いと著者は言っているのでしょうか?

成田さんは、選挙など既存のシステムをいじることによる解決策についても記述していますが、自身で制度そのものを変えない限り民主主義の問題が根治することはない」と言っています。

制度そのものを変える案として、データによる選挙のない民主主義を著者は提言しています。

「選挙がない」というとすごく無秩序な世界をイメージしてしまうかもしれません。

しかし「選挙のない民主主義」とは、投票以外のさまざまなデータから民意を吸い上げることにより実現する、「選挙の必要ない民主主義」のこと。

そもそも選挙では、さまざまな政策についての意見がひとまとまりのパッケージになった政治家・政党に投票しなければならず、拾える結果が粗すぎるといいます。

皆さんも、例えば政治家Aさんの選挙公報を見て、「消費税については反対だけど給付金の政策については賛成だなあ」と思ったことはありませんか?

たとえAさんに投票したとしても、投票した人がその政策のすべてに賛成している、という訳ではないのです。

そういった意味で、選挙結果はデータとして不十分であると言えます。

例えば会議や街中の会話などのデータから、選挙結果には表れてこない国民の意見を拾うこと。

そしてアルゴリズムで変換して平均を取って(民意をまとめて)政策を決定すること。

これら(筆者の言葉を借りると「無意識民主主義」)が、今の民主主義を立て直すカギであると筆者は言っています。

22世紀の民主主義は難しい?

ここまで本書の内容をざっくりとまとめてきましたが、ここで本題に入ります。

なぜ『22世紀の民主主義』が「難しい」と言われているんでしょうか?

SNS上であがっている意見などを分析すると、理由としては2点あると私は考えています。

①そもそも内容の理解が難しい
②筆者の提案を実現することが難しいと思っている

一つずつ見ていきます。

①そもそも内容の理解が難しい

一般向けの本とはいえ、政治について全く関心がなかったり民主主義の基礎を知らないという人には少々難しく感じるかもしれません。

もちろん人並みの教養がある人でも、筆者の専門であるデータやアルゴリズムについての話など、内容によっては難しいと感じるでしょう。

②筆者の提案を実現することが難しいと思っている

もう一つの「難しい」というのは、筆者の提案の実現可能性が低いという意味での「難しい」です。

これは私も読んでいてそう思いました。

選挙以外での民意のデータ収集、そしてアルゴリズムによる民主主義の自動化は、果たして実現しうるものなのでしょうか?

中国のような、街の至る所に監視カメラがあるような社会ならまだしも、日本だったらそういった収集方法に対する反対運動も起こりそう・・・

まずデータ収集の部分でつまずくような気もしています。

まとめ!そこまで難しくないので誰でも読める

本書を要約すると、以下のようになります。

・21世紀は民主主義が故障し、それが経済や社会の劣化にもつながっている
・選挙や国家制度の調整では一時的な改善にしかならない
・状況を打開するためには、選挙のない無意識民主主義を実現する必要がある

実際のところ、大まかな流れは難しくないので、何を言っているかチンプンカンプンという人はほとんどいないと思います。

教養や会話のネタにもなるので、興味を持った人は読んでみるといいでしょう。

すでにこれを読んでいて「面白いな」と思った人には、『天才たちの未来予測図』もオススメです。

成田さんをはじめ4人の若く才能のある方が、これからの日本や世界について興味深い知見を述べています。

政治や社会についての理解を深めて、これからの時代を上手に生きていきたいですね。

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